はじめに:Snowflakeの中でAIを動かせるって本当?
SnowflakeでもAIを使えないかと考えることは、Snowflakeを利用している人であれば誰しもが思うと思います。そんなときに頼れるのが Snowflake Cortex です。Snowflake Cortexは、データウェアハウス (DWH) の中から大規模言語モデル (LLM) や機械学習機能を呼び出せる、Snowflake標準の生成AI機能群です。
嬉しいのは、難しいインフラ構築もAPIキー管理もいらず、普段書いているSQLからそのまま呼べる点です。この記事では「Cortexってそもそも何?」「料金はどうなってるの?」という入門の疑問に、フレンドリーにお答えしていきます。

Snowflake Cortexの全体像
Cortexは大きく分けて次の3つのレイヤーから構成されています。それぞれ「やりたいこと」が違うので、用途に合わせて選びます。
1. Cortex LLM Functions (関数として使うAI)
SQL関数を呼ぶだけで、要約・翻訳・感情分析・自由なプロンプト応答ができる機能です。代表的な関数は以下のとおりです。
SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE:ChatGPT風に自由なプロンプトを投げて回答を得るSNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE:長文を要約するSNOWFLAKE.CORTEX.TRANSLATE:多言語翻訳するSNOWFLAKE.CORTEX.SENTIMENT:文章のポジネガを数値で返す
2. Cortex Search (検索基盤としてのAI)
社内ドキュメントや問い合わせ履歴に対して、意味検索 (ベクトル検索) と全文検索を組み合わせた高精度な検索を実現するマネージドサービスです。RAG (検索拡張生成) アプリの土台として使えます。
3. Cortex Analyst (自然言語でデータ分析)
「先月の売上トップ5の商品は?」のような自然言語の質問を、SQLに変換して結果を返してくれる機能です。BIツールに自然言語UIを乗せる用途に最適です。
実際に使ってみよう:SQL例
百聞は一見にしかず。試しに口コミデータの感情分析と要約を、SQLだけで実行してみましょう。
-- 口コミの感情スコアを判定 (-1〜1の範囲)
SELECT
review_id,
review_text,
SNOWFLAKE.CORTEX.SENTIMENT(review_text) AS sentiment_score
FROM customer_reviews
LIMIT 10;
-- 長文の問い合わせメールを3行で要約
SELECT
ticket_id,
SNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE(body) AS summary
FROM support_tickets;
-- 自由プロンプト (モデル名を指定)
SELECT SNOWFLAKE.CORTEX.COMPLETE(
'mistral-large2',
'Snowflakeのウェアハウスを停止するSQLを教えて'
) AS answer;
外部APIキーの設定も、Pythonコードを書く必要もありません。普段のSELECT文と同じ感覚で生成AIを呼べるのがCortexの最大の魅力です。

気になる料金体系
Cortexの課金は Snowflakeクレジットで消費される従量課金 です。一般的なクエリのようにウェアハウスのサイズ×時間で課金されるのではなく、処理したトークン数 (おおまかに言うと文字量) ×モデルごとの単価 で決まります。
- 軽量モデル (例: llama3.1-8b) → 1Mトークンあたり数クレジット程度と安価
- 大型モデル (例: mistral-large2, llama3.1-70b) → 1桁〜2桁多いクレジット消費
- 関数呼び出しを実行するためのウェアハウスも稼働している必要があり、別途その分のクレジットもかかる
最新の単価表は公式の Cortex LLM Functions ドキュメントと「Snowflake Service Consumption Table」で確認できます。コストが気になる方は、まずは小さいモデルから試すのがおすすめです。
消費クレジットの確認方法
SELECT *
FROM SNOWFLAKE.ACCOUNT_USAGE.CORTEX_FUNCTIONS_USAGE_HISTORY
ORDER BY start_time DESC
LIMIT 100;
このビューでモデル別・関数別の消費量が一覧できます。想定以上にクレジットを使ってしまったときは Snowflakeのクレジット急増の原因調査と削減方法 の手順とあわせて確認すると安心です。
使う前に知っておきたい注意点
- リージョン制限:利用できるモデルはリージョンによって異なります。利用予定モデルが自分のアカウントで使えるか事前確認しましょう。
- 権限:
SNOWFLAKE.CORTEX_USERロールを付与しないと関数を呼べません。 - コスト暴走対策:大量行に対して一気にLLM関数を実行するとクレジットを大量消費します。リソースモニターでガードレールを設けておくと安心です。
まとめ
Snowflake Cortexは、SQLを書けるだけで生成AIをデータに直接適用できるとても強力な機能です。LLM関数で要約・感情分析、Cortex Searchで意味検索、Cortex Analystで自然言語SQL — 用途に合わせて選べる引き出しの多さも魅力ですね。まずは小さなテーブルとllama3.1-8bあたりで気軽に試してみて、データ×AIの面白さを体験してみてください!
参考リンク
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